Leicaエクスペリエンスラボ

インプラントマイクロサージェリーという言葉を広めたいCase Studies

メディカル

千栄寿先生にマイクロサージェリーのお話を伺い、またインプラント手術の見学をさせていただけるということで、横須賀市 北久里浜のせん歯科医院をお訪ねしました。せん歯科医院は、最新鋭の顕微鏡や歯科用機器がずらりと並ぶ治療室と手術室を完備した、ハイレベルな治療を提供する歯科医院です。

テーマは、インプラントマイクロサージェリー

「インプラントマイクロサージェリー (Implant Microsurgery) が私のテーマです。この言葉を広めたいですね。」マイクロスコープを使ったインプラント手術を、千先生はこう呼んでいます。ペリオドンタルマイクロサージェリーのパイオニアである鈴木真名先生に師事され、現在はマイクロスコープを使ったインプラントの第一人者である千先生ならではのテーマです。鈴木真名先生のコースを受けた時に初めてマイクロスコープを体験した千先生は、「視力はいいので目視でも特に不自由は感じていなかったのですが、次元が違いました。見える世界が違う。同時に来るべくしてここに来た、マイクロスコープを使った治療を普及していくことが自分のテーマになる、とその時に感じました。」とマイクロスコープとの衝撃の出会いについて語られます。また、マイクロサージェリーを本格的に志すきっかけは、インプラントのスタディー・グループの名誉顧問で、世界的に活躍されているインプラントの師匠である勝山英明先生のすすめでした。千先生ご自身は、その当時は全く無知な領域であったとおっしゃいます。

 

マイクロスコープは自分の眼

千先生は、現在インプラント以外の手術にもマイクロスコープを使われています。「マイクロスコープの導入により、手術のクオリティ、臨床的な効率が飛躍的に向上しました。今はマイクロスコープなしでは、臨床できなくなってしまいました。脳が8~20倍で見た画像を記憶していて、それが標準になっているので裸眼で見ると脳が見えてないって認識してしまうんですね。」

インプラント手術の現場

実際に千先生が執刀されるインプラント手術に立ち会わせていただくことができました。手術を受けられた患者様は上顎臼歯部の症例で、インプラントを埋め込むには骨の高さと量が足りません。そこで、今回は骨を作りたい部分に骨補填材を埋め込みチタンメッシュで覆う手術を行いました。一年ほどで骨が形成されるので、再度手術でチタンメッシュを外し、インプラントを埋め込みます。患部をマイクロスコープで拡大観察しながら、非常に繊細な作業が3時間にも及びました。手術室には、ハイビジョンの巨大モニターが設置されていて、顕微鏡画像が非常に鮮明に映し出されます。千先生は、術中の大半を鏡筒をのぞいて手術を行い、時折モニターを見て確認しつつ手術を進めます。手術は、動画で記録されます。

maxillary sinus floor elevation(上顎洞底挙上術)の一手法であるTransalveolar approach をMicrosurgeryで対応。コンピュータ支援のサージカルガイド下にてドリリング深度を洞底部の手前約1mmまで進め、直径3.5mmのインプラント床を形成した後に超音波切削器機にて、愛護的に上顎洞底粘膜を露出させた段階。この後に骨補填材を移植。

骨ブロック移植の際に顕微鏡拡大下にて骨にDecorticationを行い、グラフト辺縁を超音波(ピエゾサージェリー)ダイヤモンドチップにて鈍的形成。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マイクロスコープを選ぶ基準、使い勝手の良さとドキュメンテーション

千先生が、ライカ M320を選ばれたのはどういった理由でしょうか。「私がマイクロスコープを選ぶ基準は、まず使い勝手の良さとレンズの質。作業時のワーキングディスタンスや、あまりマイクロを動かさないでもフォーカスが合うといった機能が必須ですね。また、重視するのはドキュメンテーション。患者さんに実際の画像を術直後に見せることで安心してもらえますね。また、衛生士と情報の共有ができるのもいいですね。」千先生は、インプラントマイクロサージェリーの普及のための講演会、 セミナーやオペ見学なども精力的に行っています。「講演には、高いクオリティの画像が要求されます。その点、ライカ M320は、静止画も動画もきれいなので大変助かっています。」

 

ライカマイクロシステムズは、インプラントマイクロサージェリーという言葉が一般的になる日が早く到来するためのお手伝いを続けます。

 

症例動画

Maxillary sinus floor elevation(上顎洞底挙上術)の一手法であるLateral window technique: 拡大している上顎洞、および/または歯槽骨の垂直性の欠損が生じている上顎臼歯部へのインプラント埋入のための増生術式・上顎洞底挙上術において、Lateral windowを形成する際にはMaxillary sinus membraneの穿孔に細心の注意が必要である。
顕微鏡拡大下にて、骨とMaxillary sinus membraneの境界をゾンデにて触診し判別をしながら、sinus membraneを手用器具(ハンドインスツルメント)とPiezoデバイスを用いてアクセスを完遂する。
その後、scaffoldとなるgraft materialを移植して、術後にgraft materialの口腔への流失と移動による手術創離開を防止する目的でチタンメッシュを小さなチタンタックで固定する。
麻酔専門医による静脈内鎮静法にて施術しているので、呼吸のタイミングと同調したsinus membraneの動きに注意をしながら手術を進める。
われわれはインプラントに関連する外科処置の限界点を変えるためにマイクロサージェリーを様々な局面において実践してきている。
インプラントマイクロサージェリーは従来の手術理論の延長線上にあり、手術理論そのものを変えることではない。
ただ単に確実な治癒のためにマイクロスコープを用いて行われる手術アプローチである。
拡大は損傷のない軟組織と硬組織の取り扱いのために使用され、創傷治癒を高いレベルで促進する。

Science Labページ(英語版)の症例動画はこちら

せん歯科医院 (神奈川県横須賀市)千 栄寿先生

インプラントマイクロサージェリー(顕微鏡を使ったインプラント手術)の第一人者として、多くの難症例に対応。
せん歯科医院HP

歯科用顕微鏡ライカ M320

ライカ M320 デンタルの光学システムは、このジャンルの顕微鏡の定義を変えました。LED を用いた世界初のシステム構成により、顕微鏡観察に新しい次元を切り拓きました。鮮明さ、コントラスト、明るさのすべてで比類のない画像が得られ、しかも深い焦点深度を実現しています。