Leicaエクスペリエンスラボ

獣医臨床のマイクロサージェリーの今
動物の難治性疾患治療への挑戦をサポートするライカ手術用顕微鏡Case Studies

メディカル

ライカ手術用顕微鏡を導入された、岐阜大学動物病院をお訪ねしました。岐阜大学動物病院は、中部地域で唯一の大学付属動物病院であり、開業獣医師からの依頼を受け、難治性疾患に対する診断・治療を行う高度先進動物医療施設です。内科、外科、腫瘍科、神経科とあらゆる疾患に対応する二時診療施設です。今回は、神経科の神志那 弘明先生に、獣医臨床のマイクロサージェリーの最先端についてお話を伺いました。

 

ウェルシュ・コーギーに多発する変性性脊髄症

神志那 弘明先生

神経科では脳腫瘍、脳炎、先天性脳疾患などの脳疾患の診断と治療、椎間板ヘルニア、変性性脊髄症、脊髄腫瘍、脊椎腫瘍、外傷性脊髄損傷といった脊髄疾患の診断と治療を行っています。神志那先生は、先の疾患の診断、手術を行いますが、特に変性性脊髄症の臨床診断と遺伝子検査を専門とされています。

「変性性脊髄症は国内のウェルシュ・コーギーに多発している進行性の脊髄疾患です。人気犬種は数年でトレンドが変わりますが、1998年ごろからコーギーが人気犬種となり、多くの数が繁殖されました。コーギーは、寿命が15歳くらいで、ちょうど10年くらい経つとこの病気を発症することが多い。なので2008年くらいからこの症例が増えてきました。足がふらふらしてくるのですが、あまりこの病気のことは知られていなかったので、老化ということで片づけられていました。」

症状は後ろ足のふらつきから始まります。進行すると、病変は脊髄の頭側の方にも広がり、前足にも同様な症状が現れます。さらに進行すると病変は頸髄にも広がり、呼吸がしにくくなります。通常、これらの症状は3年くらいかけて進行します。また、高齢のコーギーでは、椎間板ヘルニアも多く、変性性脊髄症との症状も似ているため両者を区別することは困難な場合もあり、診断と治療は慎重に進めなければいけません。コーギーの胴長短足の体型が関係しているのでしょうか。

「他にもそういった体型の犬種はありますが、それらはあまりこの病気にならない。病気の原因はまだはっきりと解明されていませんが、遺伝子の異常が見つかっていますので遺伝的な疾患と考えています。」原因がはっきり解明されていないため、治療は理学療法がメインで、その他日常的な生活のケアをします。神志那先生は、現在、変異遺伝子の保有率の調査、血液バイオマーカーを使った新しい診断法の研究などを行っています。

 

動物のための高度先進医療を支える最新鋭の設備

顕微鏡で手術を行う神志那先生

岐阜大学動物病院は、国内有数の設備を誇ります。検査から診断、治療、手術まで最高レベルの対応を可能にする最新鋭の機器を有しています。検査には、X線は勿論のこと、CT、MRI、内視鏡、腹腔鏡検査設備が、手術室には、顕微鏡から超音波手術器といった、機器を完備しています。また、がんの治療には、高エネルギー型放射線治療設備、強度変調放射線治療設備も備え、2013年には363件の放射線治療実績があります。

 

 

 

 

 

「見えなかったものが見える」「共有できる」 ライカ顕微鏡導入のメリット

「脊椎の手術などをルーペで行っていたのですが、数年前から脳外科の手術も始めて顕微鏡が必要になりました。最初は処置用の顕微鏡を使っていたのですが、やはり操作性などに問題があり手術用の顕微鏡が欲しいと思って、ライカ M525 F40のデモをして頂きました。以前からライカを導入している他の先生から評判を聞いていましたし、デモをしてすぐに気に入りました。明るくて、よく見える、これは大きなメリットですね。」

また、手術中に、術野をモニターで映して、研修医や学生と共有できることも、スタッフや学生のモチベーションや知識の向上に大きく貢献していると先生はおっしゃいます。

 

神志那先生とスタッフの皆さん

ペットの高齢化も社会問題となっている今、さらに発展を続けていく獣医臨床の現場をライカ マイクロシステムズは革新的な技術でサポートし続けます。

 

 

 

 

 

 


<症例写真> 椎間板ヘルニア

 

 

椎間板ヘルニアにより脊髄が重度に圧迫されている。

 

 

 

 

逸脱した椎間板物質が除去され、脊髄の圧迫が解除された。

 

 

 

 

 

 


<症例写真> 脳腫瘍            

写真1 脳腫瘍(正常脳)

 

脳腫瘍(摘出前)

硬膜切開後の写真。腫瘍は正常脳に覆われている状態。

 

 

 

 

 

写真2 脳腫瘍

 

脳腫瘍(摘出中)

上と同じ症例。正常脳を切開し、腫瘍が露出した状態。術中の腫瘍染色により、腫瘍は黄染されている。

 

 

 

 


<症例写真> 脳出血

写真3 脳出血

 

血腫が認められる。

 

 

 

 

 


<症例写真> 第3脳室内腫瘍

 

写真4 第3脳室内腫瘍

 

 

脳梁切開により腫瘍が露出した状態。術中の腫瘍染色により、腫瘍は黄染されている。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

岐阜大学 応用生物科学部 獣医臨床放射線学研究室 准教授神志那 弘明先生

岐阜大学動物病院  https://www.animalhospital.gifu-u.ac.jp/

手術用顕微鏡ライカ M525 F40

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