Leicaエクスペリエンスラボ

有志の獣医師の出資により設立された、動物のための高度医療センター
ネオベッツVRセンターCase Studies

メディカル

日本初の動物のための二次診療専門の高度医療センターである、ネオベッツVRセンターの川田睦先生に、日本の獣医療の現状と展望についてお話を伺いました。

 

「高度な獣医療の提供を」、動物たちのために有志の獣医師が立ち上がった

neovets_kawadasensei_2_v8j0gsネオベッツは有志の開業獣医師が出資し、運営する動物病院です。どのような経緯で設立されたのでしょうか。「立ち上げる話が持ち上がったのが26年前ですが、当時、動物病院というのは基本的に個人経営で1・2名程度の獣医師と数名の動物看護師で構成される家族経営が多く、提供できる医療や設備にも限界がありました。当時既にアメリカには存在していたリファラルシステムのように、地域のホームドクターから紹介を受けて高度な二次治療を行う施設の設立に賛同する獣医師が出資して、ネオベッツVRセンターが設立されました。」

 

 

ネオベッツVRセンターは、開業獣医師からのみ診療依頼を受ける二次診療施設であり、飼い主からの直接の診療依頼は受け付けていません。なぜならば、ネオベッツVRセンターの設立は、一般の動物病院ではできない高度な治療を提供することだけでなく、地域の獣医療全体のレベルアップをサポートするという目的も持っているためです。VRは、Veterinary Referral の略で、「獣医師の紹介」という意味です。

 

動物の疾患の多様化に対応するための、最先端の医療設備

手術の映像が大型モニターに映し出され、飼い主は、手術の様子を見ることができる。

手術の映像が大型モニターに映し出され、飼い主は、手術の様子を見ることができる。

ネオベッツVRセンターは、手術用顕微鏡  ライカ M525 F50を初め、MRI、CT、造影超音波検査装置などの最新鋭の医療機器を併設しています。3つの手術室と共に、MRI、CT、エコー、内視鏡を個別に設置した検査室が完備されています。「超伝導1.5テスラMRIは、脳腫瘍などの脳神経疾患や、椎間板ヘルニアの検査に使用します。64列マルチスライスCTの役割の多くは、腹部や胸部にある腫瘍を見つけ、手術計画を立てたり、その他には関節疾患や骨折などの整形外科症例にも使用します。」ネオベッツVRセンターの2014年の手術件数は1,224件にものぼりますが、その中でも脳神経疾患、脳腫瘍疾患、関節疾患の手術が際立って多くなっています。その理由について、川田先生は「ペットの高齢化と特定の犬種の増加の影響が大きい」と指摘されています。「昔は、犬の寿命は10数年くらいが一般的でした。最近は、飼育環境や食生活の改善が高齢化を促進し、それに伴い腫瘍の発生頻度が非常に高まってきています。かつては、寄生虫疾患や交通事故が主な来院理由でしたが、今では、高齢動物に対する治療が多くなってきています。特に2000年から2010年頃に流行したダックスフンドには、椎間板ヘルニアが多く発生しました。流行の犬種によって、疾患が変わってきます。」

最新鋭の機器が完備された手術室。

最新鋭の機器が完備された手術室。

 

獣医療におけるマイクロスコープの役割と展望

手術用顕微鏡 ライカ M525 F50を採用いただいた理由について川田先生は、「使いやすさ」とおっしゃいます。「いくつかの機種のデモ機を使用させていただいたのですが、ライカの顕微鏡が一番レンズが明るくよく見えることと、操作性のよさが決め手となりました。また、ビデオや静止画のクオリティにも満足です。」手術用顕微鏡を導入している動物病院は、まだまだ数パーセントでしかありませんが、「獣医療において顕微鏡はもっと使われるべきだと思っています。特に若い先生にこそ使って欲しい。顕微鏡のセットアップは結構手間がかかるし、慣れないと顕微鏡下の手術は大変です。ですので、裸眼でとなりがちですが、やはり顕微鏡を使うことで高度な治療が可能になります。動物は人と比べて対象物が小さいですから、拡大してみることで細かい病変がわかります。また、ビデオカメラで撮ることで精密に検証や再現ができます。最近は、獣医療の手術も設備が整った施設でトレーニングを受けないとできない手術も増えてきています。そのような教育をどこで、誰から受けるかによって違いがでてきます。」と川田先生はおっしゃいます。川田先生は、そういった啓発活動も担って、獣医師を対象にしたトレーニングやカンファレンスを積極的に行っています。

「高齢化した動物に高度な医療を行うべきかという議論には答えはなく、難しいです。」と川田先生はおっしゃいますが、ネオベッツVRセンターは、飼い主がそれを望んだ時に、動物にとっても飼い主にとってもベストな選択肢を提供してくれるところである、というのは確かな事実です。

 

ネオベッツVRセンター(大阪府大阪市)代表川田 睦先生

獣医師。1991年 山口大学 家畜解剖学卒業。鶴見緑地動物病院、藤井寺動物病院勤務、鶴見緑地動物病院医長を経て、2005年ネオベッツ入社。2014年より現職。

ネオベッツVRセンター

http://www.neovets.com/

外科手術用顕微鏡システムライカ M525 F50

ライカ M525 F50は広範な外科マイクロサージャリーにハイレベルに対応する、有用性と経済性に富んだ手術用顕微鏡システムです。 蛍光モジュール FL800、BrightCare、HDシステム記録等を一体装備して、脳神経外科、スパイン手術、耳鼻咽喉科、形成外科等広範な分野で安全で快適なマイクロサージャリーを実現します。