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ライフサイエンス 2019.04.24

超解像蛍光顕微鏡活用事例/細菌の細胞構造をさまざまな形状に微細加工することに成功 耐久性・適応力の高さを再認識

Montage of Cells expressing FtsZ-mNG or FtsZ-mCitrine in remodeled cells (pseudo colored)

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四角いスイカにインスピレーションを受け箱型の微生物を形成

沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究者ビル・セダーストゥル博士らは、細胞分裂の主要な調節因子であるFtsZというタンパク質に注目し、大腸菌細胞を立方体に成長させることに成功。細胞には、さまざまな制限を受けた状況にあっても問題なく分裂と増殖を行える高い能力が備わっていることを示した論文を発表しました。 細胞分裂の過程で形成されるタンパク質複合体の円形構造物は、Zリングとして知られています。博士らは、細菌細胞を特殊な形状をした微小な枠組みの中で成長させることで、円形以外のZリングを形成させることが可能であることを発見しました。細胞は、枠組みの形に適応して、正方形以外にも、ハート形、三角形、五角形、十字架、半月、星形など、自然界には見られない形状のZリングを形成したそうです(トップ写真)。

 

ナノスケールで見る世界の真実

ビル・セダーストゥル博士らの研究には、ライカの STED ナノ顕微鏡が活用されています。どんな組み合わせの蛍光試薬でもイメージングすることが出来る、自由度の高いマルチカラーナノ顕微鏡観察 Leica TCS SP8 STED です。枠組みを用いて細胞を直立させるという新しいアプローチによって、XY平面画像を1枚撮影するだけで、Zリングの構造全体を捉えることができるようになりました。従来のアプローチでは、Zリングの一部分しか可視化することが出来なかったため、今後さまざまな研究に影響をもたらす大きな発見となりそうです。

超解像蛍光顕微鏡活用事例
従来のアプローチで撮影した細胞
超解像蛍光顕微鏡活用事例
新しいアプローチで撮影した細胞
超解像蛍光顕微鏡活用事例
ナノ加工された枠組み

ナノ顕微鏡法は、2014年にノーベル化学賞を受賞し、細胞内の微細構造や動的現象の研究に大きな変化をもたらした、革新的な光学顕微鏡技術です。回析限界を超える微細構造の観察が可能となりました。博士らは、より高い分解能を得ることができる Gated STED を使用して、非常に精細な蛍光画像を取得しています。

STED ナノ顕微鏡
枠組みを使用して直立した状態の細胞をナノ顕微鏡 (gated STED) で撮影した様子。

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超解像顕微鏡
TCS SP8 STED 3X

超解像技術の革新者であるライカが実現する、驚くほど簡単で、驚異的な超解像イメージング TCS SP8 STED 3X。光学顕微鏡の分解能の限界を超えることができる最もシンプルで確実な超解像技術STEDを採用し、複雑な演算処理などを用いることなく、光学的に超解像を実現することができるシステムです。難しい調整をすることなく50nm以下のXY分解能と130nm以下のZ分解能で3次元超解像イメージングができます。592nm/660nm/775nm から選択することができるSTEDレーザーラインにより、これまで以上に簡単にマルチカラー超解像イメージングが可能になりました。生細胞の超解像イメージングへの応用も可能です。

ライカ TCS SP8 STED 3X

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