2025年度(令和7年度)第30回ABiS電子顕微鏡トレーニング

「高圧凍結法/Waffle MethodとクライオSEMによる含水試料の観察」

概要 ※詳細はページ中頃の開催情報をご確認ください

期間 2025/12/3(水)〜12/5(金)
場所 兵庫県立大学 播磨理学キャンパス 研究2期棟
申込締切 2025/11/26(水)

 

トレーニング概要

組織・細胞など複雑で厚みのある生体試料の非晶質凍結法として「高圧凍結Waffle Method」が用いられるようになりました(詳細は、 https://www.leica-microsystems.com/science-lab/life-science/the-waffle-method-high-pressure-freeze-complex-samples をご確認ください)。
試料を、200メッシュの金厚膜カーボングリッドに配置して、このグリッドを非常に良く研磨された2枚の試料キャリアで挟んだ状態で高圧凍結します(下図参照)。

 


 

高圧凍結では、通常、平板試料キャリアの形状により厚さ200µm程度のディスク状に試料がガラス化されます。Waffle Methodでは、EMグリッドがスペーサーとなることから、試料の厚さを約20~30µmに薄くすることができます。その結果、凍結試料ラメラを作製する際、Cryo-FIB Millingする体積を大幅に小さくできる利点があります。
試料キャリアは、高圧凍結用の平板試料キャリア・タイプB(Cu/Au 6 mm、Type B 0.3 mmキャビティ)、またはメンブレンキャリアを用いることができます。

 

Leica Microsystems EM VCT500(Vacuum-Cryo-Transfer Shuttle)
Leica Microsystems EM VCT500(Vacuum-Cryo-Transfer Shuttle)
JEOL JSM IT-800(Leica Cryo-Stage組込)
JEOL JSM IT-800(Leica Cryo-Stage組込)

本トレーニングでは、試料の凍結固定(高圧凍結法/Waffle Method)から、クライオSEM観察までの実践的な実習を行います。
クライオSEMは、生体組織や培養細胞などの生物系試料ばかりでなく、乳製品を始めとするエマルション、インクなどのスラリー、水や有機溶媒を主要構成成分とする液状材料、およびゲル状試料に関して、化学固定をすることなく流動性のある試料を急速凍結することにより、液体を含んだ状態の微細構造を観察できる非常に有用な手法です。
化学固定、脱水・乾燥、樹脂包埋など、一般的な試料調製の過程で失われてしまう様々な可溶性物質をすべて保存したまま、本来の状態に近い試料の観察をすることが可能です。バイオ系からマテリアル系まで非常に幅広い研究分野において、液体を含む試料の微細構造観察において、今後の発展が大いに期待されます。

 

開催日程・トレーニングスケジュール

12/3(水)

10:00 受付開始
10:30–12:30 「高圧凍結法/Waffle Method、凍結試料の断面試料作製法・トランスファーシャトル対応クライオウルトラミクロトームの紹介」:伊藤喜子
12:30–13:30 昼休み
13:30–16:30 実習1:高圧凍結法/Waffle Method
16:30–17:00 質疑応答・まとめ

12/4(木)

10:00 受付開始
10:30–12:30 実習2:凍結切削法
12:30–13:30 昼休み
13:30–16:30 実習3:クライオSEM観察
16:30–17:00 質疑応答・まとめ

12/5(金)

10:00 受付開始
10:30–12:30 実習4:凍結割断法
12:30–13:30 昼休み
13:30–16:30 実習5:クライオSEM観察
16:30–17:00 質疑応答・まとめ

※トレーニングは3日間のコースとなっていますが、ご都合により午後からの参加や1日間だけの参加でも構いません。その場合、備考欄に参加日時を明記して下さい。

 

開催場所

兵庫県立大学 播磨理学キャンパス 研究2期棟

〒678-1205 兵庫県赤穂郡上郡町光都3-1-2
※JR山陽線/山陽新幹線・相生駅南口より ウイング神姫「SPring-8」行きバス に乗車し「県立大理学部前」バス停(所要時間約22分:運賃710円)にて下車 徒歩3分

 

MAP

 

受講対象

  • 高圧凍結法/Waffle Method、クライオSEM観察に興味のある方
  • 研究・開発・評価などの仕事でクライオ電子顕微鏡法に従事している方

 

主な使用装置

  • 高圧凍結装置:Leica Microsystems EM HPM 100(現行モデル:Leica EM ICE)
  • クライオウルトラミクロトーム:Leica Microsystems EM UC7/FC7T(現行モデル:Leica UC Enuity Cryo)
  • 高真空コーティング装置:Leica Microsystems EM ACE600FF(凍結割断システム構成)
  • トランスファーシステム:Leica Microsystems EM VCT500
  • 電子顕微鏡 クライオSEM:JEOL JSM-IT800(Leica EM VCT500 Cryo-Stage組込)

 

主催

学術変革領域研究(学術研究支援基盤形成)先端バイオイメージング支援プラットフォーム
公益社団法人日本顕微鏡学会 生体解析分科会
ライカマイクロシステムズ株式会社
兵庫県立大学大学院理学研究科

 

講師

伊藤喜子(ライカマイクロシステムズ株式会社)
西野有里、宮澤淳夫(兵庫県立大学大学院理学研究科)

 

定員

電子顕微鏡トレーニング10名(科研費採択者またはその関係者5名程度を含む)

 

参加費

日本顕微鏡学会・会員:11,000円(税込)
日本顕微鏡学会・非会員:22,000円(税込)

※トレーニング会場受付にて、現金でお支払いください。日本顕微鏡学会の領収書をお渡しいたします。

※科研費採択者の関係者(学生)は無料となる場合がありますので、お申し込みの際にご連絡ください。

 

申し込み締切/方法

締切:2025年11月26日(水)

申込方法:必要事項をご確認の上、以下のお申し込みフォームよりお申込みください。

 

 

※申込時に役職の明記をお願いします。学生の場合は役職欄に学年の記載をお願いします。

※科研費採択者および関係者は、申し込みの際に備考欄に下記について記入をお願いします。

・科研費採択情報(種目、課題名、研究期間、研究代表者)

・ご自身が科研費に採択されていないポスドク・大学院生等は、指導教員の科研費採択情報

※電子顕微鏡トレーニング【クライオSEM】に持込試料の希望があれば、電子顕微鏡トレーニング用の試料として調製し、プレリミナリーな観察で良ければ対応可能な場合があります。試料の持込を希望する場合は、電子顕微鏡トレーニングに参加申込をする際に、備考欄に持込試料について記載して下さい。

 

その他

※申し込み後、トレーニングに関する電話連絡をすることがあります。

※定員になり次第、申し込みは締め切りとなりますのでご了承ください。

※トレーニングの様子を撮影することがあります。予めご了承ください。

2025/10/27 11:42 - 2030/01/01 00:00

2025年度(令和7年度)第30回ABiS電子顕微鏡トレーニング