THUNDER Imagerの前で。
「臨床がわかる研究者になりたかった」。そう語る、坡下先生のキャリアは、大学院卒業後、臨床の世界へ踏み出す決断から始まりました。
信州大学病院での薬剤師経験では、生体肝移植患者と向き合い、免疫抑制剤の投与設計を担当。現場での経験は、患者に寄り添う目と、薬剤効果を数値で捉える“研究視点”の両立につながりました。
教育と研究を同時に育てる、臨床系ラボの挑戦
その後、群馬大学で教育に携わる傍ら、科研費を取得し、iPS細胞から巨核球を誘導して抗がん剤の副作用機序を解明する研究をスタートしました。
現在は名古屋市立大学にて、臨床・教育・基礎研究を三位一体で進める研究室を運営中。実習指導や学生支援を行いながら、基礎研究に打ち込める“理想的な環境”を実現しています。
顕微鏡×AIが切り拓く、研究のブレイクスルー
この研究の要となっているのが、ライカの蛍光顕微鏡システムTHUNDER Imagerと、AI画像解析ソフトウェアAiviaです。高解像度・高速撮影を可能にするTHUNDERによって、タイトジャンクションの構造観察が劇的に明瞭化しました。
さらにAiviaでは、細胞1個単位で蛍光シグナル解析も実現。データの質・スピードともに飛躍的な進化を遂げています。
MPS・オルガノイド――動物実験に代わる次世代評価系へ
近年注目を集めるMPS(生体模倣システム)。坡下先生のラボでは、iPS細胞由来の小腸やBBBモデルを用い、培地を循環させる“臓器チップ”にも着手されています。
創薬分野はもちろん、食品や化粧品産業からも高まるニーズに応えるべく、アカデミア発の応用展開を進行しています。
脳疾患に挑む!iPS細胞由来・BBBモデル
注目の研究テーマは、iPS細胞を用いた血液脳関門(BBB)モデルの構築です。脳への薬物送達は創薬の大きな壁ですが、同研究では内皮細胞・ペリサイト・アストロサイトを三種培養し、脳内の選択的透過性をin vitroで再現。アルツハイマー病都の関連も示唆されるBBBの変性を、細胞レベルで可視化する最前線の取り組みです。


変わりゆく研究現場、変わらぬ教育の本質
オートメーション化やAIによる画像生成の進展で、「何を学ぶか」が再定義されつつあります。坡下先生のラボでは、学生に“考える力”と楽しんで“研究する力”を育んでもらうことが何より重要とされ、研究室はいつも活気に満ちています。
これからの研究者に必要なのは、手技だけでなく、企画・設計・判断ができる“プロデュース力”。その育成こそ、研究者としての新たな使命といえるのかもしれません。
次世代の創薬・教育・研究環境は、すでに動き始めています。坡下先生の取り組みが、その象徴のひとつです。
- 蛍光顕微鏡イメージングシステム
- THUNDER Imager Cell
THUNDERイメージャー は、Computational Clearingと呼ばれる新しいオプトデジタル方式により、従来のWidefield蛍光画像から重要なシグナルと不要な蛍光ボケをリアルタイムに分離・除去。瞬時にバックグラウンドの無い超高精細の蛍光画像を提供します。
・簡単:これまでの単光画像取得+1クリックで超高精細な画像取得が可能
・高速:蛍光画像の取得に合わせて高精細画像をリアルタイム表示
・高コントラスト:低光量、短時間露光でも高輝度の画像を取得
・低ダメージ:たった1枚の蛍光画像から高精細画像を生成でき、褪色のリスクが最小限
・定量性:バックグラウンドのみを除去し、シグナル強度を維持

- AI画像解析ソフトウェア
- Aivia ※オプション
オブジェクト(対象物)をAIベースのドローイング機能で簡単にトレーニング・認識可能です。ある領域を囲い、その中で認識したい箇所だけを塗り絵感覚でマウスを使用しなぞるだけで、AIが目的の作業を学習し、画像全体に反映します。
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