
金型加工において、わずかな傷や仕上がりの違いが製品品質に直結します。従来の顕微鏡では視認性や作業性に課題がありましたが、Ivesta 3を使用することで、作業効率と精度が格段に向上します。今回は、金型磨きを極め続ける橋本工業株式会社 橋本社長が、Ivesta 3について語ってくださいました。
- 0:00-5:56 金型磨きは職人技、道具が鍵
- 5:57-9:16 Ivesta 3のここがすごい
- 9:17-11:21 ライカの顕微鏡とともに磨き上げる
0:00-5:56 金型磨きは職人技、道具が鍵
まず御社の業務内容について簡単に教えていただけますか。
私たちは金属製の金型表面を加工する仕事をしています。形あるものには必ず「型」がありますよね。それらの形をつくるのが「金型」です。例えばガスライターやプラスチック製品などの金型の表面を磨き上げています。
金型の成形について、どのような工程があるのでしょうか。
金型にはいろいろな種類がありますが、代表的なものはやはり金属製のものですね。基本的には、溶けたプラスチックが金型の中に流れ込み、表面の形状を転写することで成形されます。表面がザラザラしていると、そのまま製品にも影響が出るため、透明なものや美しい仕上がりを求める場合には、金型表面を非常に滑らかに磨く必要があります。
磨き作業は自動化されているのですか。
ほとんど手作業になります。金型は基本的に1点もので、一つひとつ形が異なります。自動化すると時間とコストがかかりすぎるため、手作業で細かく調整しながら磨いていくことが求められます。
手作業で磨く場合、道具が重要になりますね。どのような道具を使って磨かれているのでしょうか。
基本的には、砥石やサンドペーパー、最終的にはダイヤモンド研磨などを使います。包丁を研ぐような砥石をサイズ加工し、10工程、20工程と細かい段階を踏みながら少しずつ磨いていきます。
顕微鏡はどのように活用されているのでしょうか。
作業の前工程や材料の不具合の確認のために顕微鏡を使用します。不具合が発生すると、最終的な製品に大きな影響が出るため、必須のツールとなっています。磨き作業では、微細な粒子(6ミクロン~7ミクロン)がきちんと取れているかどうかを確認する必要があります。顕微鏡がないと見落としやすい部分なので、高性能な顕微鏡が求められます。また、目が疲れにくい設計も重要ですね。長時間の作業において、ピントのズレやぼやけがあると、作業効率が落ちてしまいます。
5:57-9:16 Ivesta 3のここがすごい
Ivesta 3と従来機との違いについて教えてください。
従来機では焦点距離が短く、作業スペースが限られていました。しかし、Ivesta 3では作動距離が長く、作業の自由度が高まっています。また、解像度も向上しており、モニター越しでも双眼で覗いたときでも、より鮮明に全体がピントが合うようになりました。さらに、Ivesta 3には新たに偏光板が搭載されており、偏光板を片手で回すだけで金型表面の傷を発見しやすくなっています。また、研磨のビフォーアフターの画像を比較して、測定ができる機能も追加されており、作業の精度向上に役立っています。
Ivesta 3の導入によって、どのような改善がありましたか。
作業効率が約2倍向上しました。作動距離や画角の広さが増したことで、顕微鏡で見ながら作業することに集中しやすくなり、より短時間で作業を終えられるようになりました。また、目の疲れも軽減され、首や肩の負担も減りました。
9:17-11:21 ライカの顕微鏡とともに磨き上げる
ライカとの関係について、どのように感じていますか。
ライカの顕微鏡は、私たちにとってなくてはならない存在です。特に、Ivesta 3の進化によって、作動距離や作業の快適さが大幅に向上しました。他社製品と比較しても、作業のしやすさが圧倒的で、これなしでは仕事が成り立たないほどです。
最後に、今後の展望についてお聞かせください。
技術の進化とともに、より精密な作業が求められるようになっています。Ivesta 3のような高性能な顕微鏡を活用しながら、さらなる品質向上と作業効率の向上を目指していきたいですね。
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- 株式会社橋本工業
- 橋本 裕之 様
代表取締役
- 株式会社橋本工業
- 喜多 隼也 様
営業技術
- 株式会社橋本工業
1994年、金型磨き専門業として創業。
様々な金型磨きに携わり続け、プラスチック金型の鏡面磨きでは、家電、車載、医療、光学レンズ等、幅広く手掛けている。
金型鏡面磨きの技術指導を行っており、全国で約1,000人以上の指導実績がある。
大阪ものづくり優良企業賞受賞。
https://www.hk-polish.com