マイクロスコープで治りにくい虫歯の原因を見極める
なかなか改善しない歯のトラブルを抱えた患者さんの多くが、マイクロスコープ治療のメリットを実感しているそうです。日本大学松戸歯学部付属病院 辻本 恭久先生にお話を伺いました。
患者さんにも大きなメリット
マイクロスコープの治療が最初に始まったのは、歯内療法の根管治療です。マイクロスコープ治療が出てくる前、歯内治療では、世界的に根の治療を肉眼で見ていました。暗くてまったく見えないなか、手探りでやっていたようなイメージです。しかし、マイクロスコープを使うことによって、明るい視野で拡大して見えるようになりました。 最近ではマイクロスコープにカメラがついたことによって、録画ができ、治療内容を患者さんにきちんと見せて説明することができるようになりました。これは、患者さんにとってプラスになるので、私もマイクロスコープを上手く取り入れながら治療をしています。
マイクロスコープで治療の精度が向上
マイクロスコープを使うようになってから、肉眼では気がつかなかったことに気付けるようになり、治療の精度も格段に上がりました。マイクロスコープを使う前に自分が治療したあとを、再治療のときなどにマイクロスコープで見ると愕然とします。 自分では、そのときはしっかりやっていたつもりの治療が、マイクロスコープを覗くと、こんなところに削り残しがあったとか、汚れがあったとか、神経の穴が見つかることがあります。あるいは、歯にひびが入っていたのに気が付かず、治療をしたけど治らなかったというケースが、マイクロスコープを使うことによって、診断が確実にできるようになりました。そうすると、治療も正確にできるので治療の成功率がかなりアップします。
- 歯科用マイクロスコープ
- ライカ M320 F12
Leica M320 F12は、FullHDカメラ内蔵の歯科用マイクロスコープ。対物レンズマルチフォーカスは、作業長を 200mm から 300mm の広範囲でピント調整が可能。リモコンの簡単操作で、動画・静止画をSDカードに記録でき、再生も可能。HDMI コードで、ライブ映像をモニターへ出力することも出来ます。フロアスタンドタイプ、床固定タイプ、天井懸架タイプ、壁掛けタイプ、ユニットマウントタイプからお選びいただけます。
- 日本大学 松戸歯学部 診療教授
- 辻本 恭久先生
歯科医師・歯学博士 1983年:日本大学大学院松戸歯学研究科修了 1987年:米国 Forsyth Dental Center客員研究員 2006年:日本大学松戸歯学部歯内療法学講座 助教授 2010年:同上 診療教授 2011年:日本顕微鏡歯科学会 会長 2015年:関東歯内療法学会 会長