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メディカル 2019.03.15

眼科手術顕微鏡活用事例/眼科を開業した僕が使い慣れた手術顕微鏡を手放し Proveo 8 を選んだ理由

ピタッとはまる「色合いと距離感」まるで肉眼で見ているような感覚

開業前に僕が勤めていた病院では、ライカ社製ではない顕微鏡の上位機種が導入されていて、僕自身も20年近くその他メーカーの顕微鏡で手術をしてきたため、そちらの方が使い慣れていました。なので、開業にあたり、わざわざ Proveo 8 を導入する必要は一切無かったんです。 眼科を新規開業するにあたり、まず考えたのは、「リスクを負うべきでは無い」ということでした。費用のことも、もちろんそうなのですが、術野の見え方に対するリスクを負うことはできない、と。それまで使っていた顕微鏡も、きれいに良く見えていると思っていましたし、見え方に問題は感じていませんでしたから。実際に Proveo 8 を覗いてみるまで、使い慣れていた顕微鏡からの変更はまったく考えていませんでした。 Proveo 8 を使ってみて、まず最初に驚いたのは、本当にリアルな、自然な映りだったことですね。見え方は、もう完全に自分の基準点をクリアしていて、まさに肉眼で見ているような感覚。解像度の良さと、焦点深度の深さ、そのマッチングが、すごく良いんだろうなぁと思いました。顕微鏡を通して見る画が、自分が思ったとおりの深さ、思ったとおりの解像度にピタッとはまる感じがしたんです。 以前の顕微鏡で手術を行う時には、深さの捉え方に特に気をつけていて、目で見て感じるよりも、ほんの気持ち、1ミリくらいかな、手前で止めるような感覚で処置を行っていました。気をつけていないと、思わずギリギリまで近づけ過ぎてしまうことがあるためです。例えば、白内障手術で後嚢に近づく時とかですね。でも、その距離感のわずかなギャップが Proveo 8 にはまったくなかった。顕微鏡を通して僕が知覚する距離感と、実際の深さがぴったり合っていたからです。

 

手軽な操作性よりも「上質な素材」に軍配が上がる

硝子体手術においては、顕微鏡の性能に加えて、広角観察システム BIOM との相性がすごく良いのだと思いました。広角観察システムに対しては、ある意味限界を感じていたのですが、そうではなかった。BIOM のレンズは、質感、素材が全然違うので、驚きますよ。 周辺部まで良く見えるんですよね。後極部、最周辺部、それから周辺部。その、ちょうど間くらいにある中間の領域って、見えにくい時があると思うんですけど、Proveo 8 では、そこがすごく良く見えます。画角が広くて、後眼部全体をくまなく見れている、という安心感がある。画角の広さ、解像度、焦点深度、色彩、このすべてのバランスに優れているのだと思います。 硝子体手術の時の Proveo 8 にはもう感動的なくらいの自然な色合いを感じましたね。こんなにも良く、色味や距離感を見ることが出来ると、やりすぎた処置になってしまうことも無いですし、動きも自然と丁寧になって手術がしやすいです。無色透明なはずの硝子体が手に取るようにわかる、といった感覚でしょうか。よく、ライカカメラは、「その場の空気も写る」と言ったりしますが、そんなイメージ(笑)。よく見えることで安心して手術が遂行できます。 他社メーカーの顕微鏡や広角観察システムの方が、手軽に使えてとっつきやすい、または、慣れているから使いやすい、とおっしゃる先生は多くいらっしゃいます。僕も、どちらかと言うと感覚的な人間なので、使いやすさはとても大事です。実際、初めて Proveo 8 を使った時は、いつもの顕微鏡と使い勝手が違うことに戸惑いましたし、最初の1、2例は、はじめてのレバー操作があったので注意しました。でもすぐに慣れましたよ。Proveo 8 の BIOM 部分は、インナーフォーカスになっていて、BIOM のレンズを下げると、顕微鏡が自動で上にあがって焦点を調整する仕組みになっているんです。フロントレンズの位置が固定されるので、リフォーカスもしやすく便利ですし、ベストな位置に、一発で BIOM を持ってくるのも簡単でした。 手術をプロとしてやる身からすると、最高の道具を求めるなら、明らかに Proveo 8 に軍配があがると僕は思います。

 

プロの仕事とはなにか

プロの仕事って、自分だけではなく、周りもみんなプロじゃないと成し遂げられないと僕は思っています。だから、助手用顕微鏡でも術者と全く同じ視野が取れるという点は、Proveo 8 の大きな魅力です。助手がきちんと見えない顕微鏡を使う、といったコストダウンの仕方には意味がない。顕微鏡や手術機械といったプロの道具は、他に何を削ったとしても良いものを選ばなくてはならないと強く思います。それは僕らみたいな個人施設であっても、選択するべきものです。 手術の質は、80パーセントくらいが機械の性能で決まってしまうものだと僕は思っています。医者はその手助けをしているだけ。F1やオートバイレースでは、どんなに素晴らしいドライバーも、時代遅れのマシンではレースには勝てない。眼科医だって、最新の機械で手術をしてこそ、プロだと言えるのではないでしょうか。Proveo 8 のような一流の機械を選択するのは、開業医であっても当然の決断かな、と思います。 開業して2カ月半になりますが、症例としては、内眼手術だと250例ほど行いました。使い慣れた顕微鏡では無くProveo 8 を選んだわけですが、とても満足しています。そして、ここは強調したいのですが(笑)、以前の顕微鏡に満足していなかったのであれば、良いものに買い変えようと考えるのは当然のことでしょう。でも、もともと何の問題も無いと思っていた、慣れ親しんだものを変えるというのは、少なくとも僕にとっては、すごく大きな決断でした。しかも開業という、とんでもなく大きなイベントを起こすタイミングで、非常に高価な買い物をしました。けれど、価格以上の価値が Proveo 8 にはあると思っています。開業にあたりいろいろな機械を購入しましたけれど、Proveo 8 の購入を決めたときは、本当にわくわくした。眼科手術医として、「ベストな顕微鏡を自分で選んだ!」という気持ちがして。「この顕微鏡しかない」、そう潔く決断できたことにも満足しました。

「Proveo 8」の導入を迷われている先生方へ

慣れの問題で導入を懸念されている先生方も多いようですが、思ったほど気にならないですよ。マシン操作は、確かに得意、不得意があるかもしれませんが、実際に顕微鏡を手に取って、上下左右の動かし方やフォーカスの合わせ方を少し練習すれば、違和感はすぐに消えると思います。実際に機械を前にすると、操作性に対する不安よりも、Proveo 8 の性能の高さがもたらしてくれるメリットの方が、はるかに大きいことに気が付きます。 一方、Proveo 8 のボディの大きさに不安を感じる先生もいるようです。確かに見た目の迫力はありますが、実は、ベースが他の顕微鏡よりも小さいので、Proveo 8 のほうが、かえって小回りが利きます。顕微鏡を少し動かしたい時、自由に動かしたい時に、あれだけ機敏に動いてくれると便利だと思います。 本体にモニターがついているのも良かったかな。最初は、モニターはいらないって思っていたんですけど、セットで買って良かった。自由に動かせるから、術者側にも、助手側にも振れますし。別で買って、結局モニターの置き場に困ったり、使い勝手が悪かったりするよりは、顕微鏡とセットのものを付けておいて良かったなって思いました。 顕微鏡の自動あおり機能もすごく便利です。最近はもう、皆さん MIGS で緑内障手術をされますから、その時に、今までみたいに、手動でグリグリ調整する必要がなくて、「どこまであおったかな」「戻したかな」っていう心配がいらないのは大きなメリットですよね。 僕にとって、眼科医の仕事は天職です。かなりハイレベルな、おもしろいこと、新しいことを最初に体験できる科だと思っています。3Dヘッズアップなんかも、これから、ますます広まっていって、色々な技術と融合していくはず。そういう世界で医師をやっていて良かったなって思うんです。Proveo 8 は、この先どんどん新しいチャレンジをしていきたいと思っている医師に最適な顕微鏡だと、自信を持っておすすめします。

 

眼科用手術顕微鏡
Proveo 8

前眼部・後眼部を問わず、手術の全過程にわたって安定したレッドリフレックスと鮮明な組織像を提供する「Proveo 8」。高解像度と深い焦点深度をあわせもつライカ独自の光学設計で、ディテールまで細やかに観察。必要に応じて360°全方向からセットすることができる、広角観察システム(OCULUS社 BIOM 5)を併用することで、硝子体手術中に非接触で眼底を広範囲に観察することも可能。新たに、BIOM 連動フォーカス機能が追加されたことにより、眼球と顕微鏡の距離を一定に維持することができるようになりました。手術を中断することなく眼底を観察できるので、ワークフローがより快適に。

眼科用手術顕微鏡 Proveo 8
鶴丸眼科
鶴丸 修士院長

約23年間の勤務医経験、また1万件以上の症例の手術実績に培った高度な手術技術を治療の根幹に、最先端の手術機器で安心して治療が受けられるクリニックを目指し開業。鶴丸眼科では、白内障、網膜硝子体、緑内障、眼瞼下垂などの眼瞼手術に加え、涙目、涙道手術も行っている。

鶴丸眼科 鶴丸修士院長

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