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メディカル 2017.11.15

マイクロスコープを使うと治療はどう変わりますか?―辻本 恭久先生にききました(2)

マイクロスコープで治りにくい虫歯の原因を見極める

なかなか改善しない歯のトラブルを抱えた患者さんの多くが、マイクロスコープ治療のメリットを実感しているそうです。日本大学松戸歯学部付属病院 辻本 恭久先生にお話を伺いました。

肉眼で見えにくい部位は?

マイクロスコープを用いて、肉眼で見落とした部分を治療

肉眼での治療では、きちんと見えなかった部位というのがどうしても出てきてしまいます。 例えば、奥の歯です。大臼歯なんかは、角度によっては肉眼では見えづらく、ミラーを使っても、細かいところが見えない場合もあります。 そういった場合、マイクロスコープを使って拡大したものを明るい視野のもとで見ていると、「こんなところに取り残しがあった」とか、「歯石が残っていて駄目だった」等の原因が明確に分かります。そこをしっかりと除去するなど適切な対応ができます。その他に、充填したあとなど、例えば、コンポジットレジンを充填して、肉眼でうまく研磨したつもりでも、実は段差がかなりあることに気がついたりします。特に、金属のインレーを充填してきれいに仕上げたつもりでも、マイクロスコープで見ると、必ず段差があります。マイクロスコープを使えば、精度のいい正確な治療ができるので、患者さんにとってもハッピーですし、われわれもちゃんとした治療ができてハッピーです。

マイクロスコープを使うと治療はどう変わりますか?

マイクロスコープは治療期間の短縮にもつながる

マイクロスコープによる治療は、一見時間がかかるように思われがちですが、トータルで考えたときの治療期間は短くなります。例えば、通常は1回20分取っての治療を4回、5回と繰り返し、症状がなくなったときに根管充填ということで治療を終了します。 一方、マイクロスコープ治療の場合、1回の治療で30分から1時間程度、じっくりと時間をかけて正確に中をきれいにすることで、次回来院の際にはもう根管充填できる状態にしています。基本的には2回くらいの治療で根管治療が出来ることが多いです。

インプラントでもマイクロスコープは活用されていますか?

インプラント治療にも使われるマイクロスコープ

虫歯の治療だけでなく、インプラント治療にもマイクロスコープは活躍しています。 もし、インプラント治療の際に見落としがあった場合には、うまく生着せずに、インプラント材がくっつかなくて、グラグラになってしまうということもあるかもしれません。 この他、サイナスリフトのときも、手探りで開けるのではなくて、マイクロスコープでしっかりと見ながら丁寧に開けることができます。また、不良肉芽等もしっかりとマイクロスコープ下で見ながら、きれいに取っていくようにしており、マイクロスコープはインプラントや外科手術に非常に有効だと感じています。

 

歯科用マイクロスコープ
ライカ M320 F12

Leica M320 F12は、FullHDカメラ内蔵の歯科用マイクロスコープ。対物レンズマルチフォーカスは、作業長を 200mm から 300mm の広範囲でピント調整が可能。リモコンの簡単操作で、動画・静止画をSDカードに記録でき、再生も可能。HDMI コードで、ライブ映像をモニターへ出力することも出来ます。フロアスタンドタイプ、床固定タイプ、天井懸架タイプ、壁掛けタイプ、ユニットマウントタイプからお選びいただけます。

歯科用マイクロスコープ ライカ M320 F12
日本大学 松戸歯学部 診療教授
辻本 恭久先生

歯科医師・歯学博士 1983年:日本大学大学院松戸歯学研究科修了 1987年:米国 Forsyth Dental Center客員研究員 2006年:日本大学松戸歯学部歯内療法学講座 助教授 2010年:同上 診療教授 2011年:日本顕微鏡歯科学会 会長 2015年:関東歯内療法学会 会長

日本大学 辻本 恭久先生

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