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ライフサイエンス 2023.02.27

AIVIA Communityを使って3DムービーとAIを体験する

 昨今では、大学や研究所内でメーカーの異なる共焦点レーザー顕微鏡を複数台所有するケースが多く見受けられる様になりました。それに併せて、しばしば行き当るお困りごとも出てきています。顕微鏡メーカーによりファイル形式の異なるRawデータから3Dムービーをもっと手軽に作成できないか、ということです。

 各顕微鏡メーカーごとに用意されているオリジナルソフトウェアや、それ以外の有料の3次元解析ソフトウェア、または無料の「ImageJ」などを使用するといった選択肢がありますが、今のところ、どれも煩雑なステップを踏む必要があり、作業者の労力と時間の負担となっています。これを解決するのが、今回ご紹介する「AIVIA Community」です。これは無料でどなたでも簡単に入手できる、ライカが提供するお勧めの最新ソフトウェアです。各顕微鏡メーカーのRawデータを読み込め、簡単に3Dムービーを作成することができます。(一部ファイルを除く)

 早速、AIVIA Communityのダウンロードから使用方法まで、見ていきましょう。

 

目次

 

1.AIVIA Communityとは?

AIVIAの由来と機能について 

 まず、「AIVIA Community」を説明する前に「AIVIA」とは、どういったものなのかを説明しておきます。「AIVIA」は、ライカから販売している画像解析ソフトウェアです。「AIVIA」と言う名前の由来は、「Artificial Intelligence(人工知能)」、「 Visualization(可視化)」 、「 Image Analysis(画像解析)」の頭文字からとって「AIVIA」名付けられています。ソフトウェアの特徴としては、2D画像~5D画像まで可視化および分析まで行うことができますが、なんと言っても高性能なAI解析と通常の画像処理を融合させた、新しい画像解析ソフトウェアになっています。

 実際にいくつかの元データと解析したデータを比較します。(左:元データ 右:解析データ)

このように「AIVIA」は、2D解析や3D解析だけにとどまらず、染色した組織切片や微分干渉や位相差などを認識し解析することができるパワフルな解析ソフトです。

 

AIVIA Communityができること

 では実際「AIVIA Community」では何が出来るか説明したいと思います。大きく分けて3つあります。

  • 60fpsのなめらかな3Dムービーの作成
  • AI(マシーンラーニング)を使った、画像セグメンテーションの認識テスト
  • 顕微鏡のRawデータからAIVIA専用の Tiff画像への変換

先ほど紹介した解析部分はありませんが、3Dムービーの作成や自分で取得した画像がAIのセグメンテーションに向いているかを試すことができます。

以下では、まずダウンロードの仕方と設定方法を解説した後、3Dムービーの作成とAI(マシーンラーニング)の使い方について説明していきます。

 

2.AIVIA Communityを使ってみよう!

AIVIA Communityをダウンロードと設定する

 「AIVIA Community」をインストールするにあたって、PCスペックがどれくらい必要なのかを説明しておきたいと思います。公式サイトでのミニマムスペックは、下記になります。

 

  • OS:Microsoft Windows 8、または10オペレーティングシステム(64ビット)
  • CPU:2GHz以上のインテルCore Duoプロセッサー
  • RAM:4GB以上
  • Storage:100GB以上の空き容量のあるSSDあるいは、M.2SSD
  • GPU(グラフィックカード): 6GB以上のVRAMを搭載したNvidia GPU*。Nvidia以外のGPUでは、うまく動作しない、または全く動作しない場合があります。*小規模(4GB未満)の3Dデータセットをレンダリングする場合、最低2GBのVRAMが必要です。

 

GPU(グラフィックカード)のスペックがかなり高いように思いますが、今回このブログで紹介するにあたっては、DELL Latitude 5320というノートPCで検証しています。すべて保証するわけではありませんが、今回のノートPCでは、数百MBのデータを3D表示させることができています。

 

それでは最初に「AIVIA Community」のダウンロードの方法とインストールまでを動画でご紹介します。

 

続いて起動させた後に設定する項目について動画でご説明します。

PCスペックでも書きましたが、一時保存先は、SSDか今はやりのM.2SSDが望ましいです。

 

3Dムービーを作ってみよう。

では、3Dムービーの作成方法をご紹介します。

非常に簡単にできることがお分かりになったかと思います。

 

AIでセグメンテーションを試してみる。

「AIVIA Community」は、フリーソフトでありながらAIベースのマシーンラーニングである「Pixel Classifier」を試すことができます。ここでの「Pixel Classifier」は、「認識するところ」と「認識しないところ」をお絵かきツールで分けれそうかを確認できます。今回はお試しツールのため数値データを出力することができませんが、自分の画像がAI解析に向いているかどうかなどを確認することができます。従来の蛍光輝度の明るさだけでなく、形状などの特徴を認識して分けることができるので、今までの画像解析では分けられなかった対象物を分けられることができるかもしれません。

では、使い方を説明した動画をご覧ください。

非常にシンプルな使い勝手で分類できることがお分かりになったかと思います。

 

それ以外の機能を調べたいときには?

 ここまでの機能を試していくと、他にどんな機能や解析ができるのか、気になってくる方もいるかと思います。そんな時に便利なのが「AIVIA Wiki」です。「AIVIA Wiki」は、「AIVIA」と「AIVIA Community」の機能や使い方を調べることができます。Webページは、英語ですが使用されているブラウザーによっては、翻訳機能も付いているので英語が苦手な方であっても瞬時に日本語で確認することができます。

 この「AIVIA Wiki」についても動画でご紹介します。

もし何かわかならいことがあれば、この「AIVIA Wiki」ですぐに調べて頂ければ、安心してお使いになれるかと思います。

 

3.まとめ

今回ご紹介した「AIVIA Community」は、ライカから提供されるフリーソフトですが、各顕微鏡メーカーのRawデータ読める非常に使い勝手の良いソフトウェアだと思います。このソフトウェアを使用すればご自身のPC上で3Dムービーや最新のAI認識技術を試すことができますので、研究時間の短縮や今後の研究に対しての新しいアプローチ方法が見つかるかもしれません。

この機会に「AIVIA Community」をダウンロードして、お試しください。

世界初のイメージング・マイクロハブ 
Mica

スクリーニングから超解像まであらゆる用途の蛍光イメージングとAIによる画像解析、インキュベーターを1つのシステムに統合した、All in oneワークフローソリューション。ライカ独自の技術で高精細画像を高速に取得、さらにシンプルな設定・操作ですべての研究者が簡単に画像を取得できます。

 

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