製造業の現場では、外観検査のツールとしてデジタルマイクロスコープが一般化しています。しかし、目視で色味や形状を正しく知ることなく、デジタル情報が“TRUE”であり“リアル画像”である、と判断していませんか?
今回は、光学顕微鏡を「接眼レンズでのぞく」意味と優位性をご紹介します。
視野は常に広く!
物事を広い視野で捉えることは、何事においても非常に重要です。視野の広さは、新たなチャンスとの出会いや、斬新なアイデアの発掘につながります。
これは、顕微鏡で見る世界でも同じです。広い視野を俯瞰的に一目で見ることにより、情報量が増え、正しい判断が可能になり、生産性も向上します。
目視は観察できる視野範囲が広い
デジタルマイクロスコープやカメラ付き顕微鏡システムの場合、観察倍率は「モニター上の倍率」となります。そのため、光学顕微鏡での目視観察の倍率と比較する機会がほとんどありません。
しかし、デジタルの観察エリアは、実は意外に狭いのです!
デジタルと目視、どう違う?
同じ倍率で観察した場合、デジタルと目視の視野範囲はかなり異なります。以下の画像をご覧ください。
デジタルの狭い視野だと試料の一部しか見えませんが、目視での広い視野だと試料の周囲の状態まで見ることができます。
この違いは、観察結果やそのあとの考察に、大きな影響を与えます。
観察エリアの比較例
次の観察画像をご覧ください。光学顕微鏡(対物レンズ5x, 接眼レンズ10x(視野数25))の場合、目視で見たエリアは、カメラ付き顕微鏡システムで観察したエリアと比べて、面積比で4.5倍も広くなっています。
観察において、最終的には「虫の目」(ミクロの視点で詳細を捉える)が必要にはなりますが、その前に「鳥の目」(マクロの視点で全体を捉える)が必要です。