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解析成功のカギを握る試料前処理は、見ながら切れるサイドビューシステム&ミクロトームで
インダストリー 2020.07.27

解析成功のカギを握る試料前処理は、見ながら切れるサイドビューシステム&ミクロトームで

異物解析・不良解析において、試料の「前処理 切削・切り出し」は解析成功のカギを握る重要なステップです。今回は、この切削・切り出し作業に使用されるミクロトームと、マイクロスコープを使って試料の側面や断面を観察するサイドビューシステムの組み合わせをご紹介します。
「見ながら切れる」ので、その後の観察や分析に適切な試料が作成できたかどうかをすぐに確認でき、解析全体の精度・効率向上につながります。

回転式ミクロトーム NANOCUT Rのカタログはこちら
デジタルマイクロスコープ DMS1000のカタログはこちら

 

解析における試料前処理の重要性

近年、製造業におけるワーク(作業対象となっている素材、部品、製造物など)の小型化が進み、製造過程で発生する異物もそれに伴い微小化しています。微小な異物を確実に発見・採取し、前処理、マクロ・ミクロ観察、画像解析、さらには元素定性分析まで持っていきたい、というニーズが高まっています。

異物解析・不良解析は一般的に、確認→採取→前処理→観察→分析、の5ステップで行われます。
今回は、この5ステップのうち「前処理 切削・切り出し」を中心にご紹介します。「前処理 切削・切り出し」は、異物解析・不良解析を精度高く効率的に行うための重要なカギとなります。

「前処理 切削・断面出し」の強力ツール、ミクロトーム

試料の顕微鏡観察や分析を行うためには、前処理として、試料の断面(鰹節に例えると、削り口)を出したり、試料を極薄の切片(鰹の削り節)にしたりする必要があります。しかし工業系の試料は、形状、硬さ、材質などが多岐にわたり、切片や断面の作製に苦労するケースも多々あります。
この切片・断面の作製に使用されるツールが、試料をマイクロメートル単位の厚さで均一に切る「ミクロトーム」です。ミクロトームは、病院・病理向けにプレパラートを作成するためのツールとしてはよく知られていますが、実は様々な種類があり、幅広い業界で使用されています。

 

多様な試料作製に対応する工業用ミクロトーム

ミクロトームは工業・製造業において、異物検査、品質検査、欠陥検査、研究・開発など、さまざまなニーズがあります。
工業用回転式ミクロトームは、指定した厚さで正確に、連続して切ることができるのが特長です。以下のような試料に使用されます。

  • 樹脂(PET、PS、PP、PE、アクリル、エンジニアリングプラスチック、等)
  • 金属(アルミ、銅、鉄、ステンレス、等)
  • 繊維(綿、シルク、アラミド、合成繊維、等)
  • 塗装、メッキ、蒸着
  • 生物材料(パラフィン包埋、樹脂包埋、等)

 

全自動回転式ミクロトームNANOCUT R

ライカバイオシステムズの全自動回転式ミクロトームNANOCUT Rは、操作の簡便性、装置としての堅牢性、切削の精度や再現性などを併せ持つ前処理装置です。

NANOCUT R本体

フル電動で、設定どおりの切片や断面が全自動で作成されるため、オペレータは切片の回収に専念できます。
替え刃も3種類あり、硬い試料用、柔らかい試料用、前処理用、仕上げ用など、用途によって使い分けが可能です。

 

サイドビューシステムで、側面・断面を確認しながらの切削が可能に

ミクロトームNANOCUT Rの実力をさらに向上させるのが、マイクロスコープの併用です。ライカのマイクロスコープDMS1000は、PC無しでHDモニター等に直接接続し、ライブ画像が表示できます。また、スイングアームやフレックスアームに取り付けると、試料を様々な角度から観察できます。

デジタルマイクロスコープDMS1000。左)標準スタンド、中)スイングアームで下向き、右)スイングアームで横向き。

ミクロトームNANOCUT Rと、アームに取り付けたマイクロスコープDMS1000を併用すれば、試料のサイドビュー(側面、断面)を任意の角度で確認しながら切削できます。これによって、試料がどこまで切れたか、その後の観察や分析に適切な切片や断面が出せたか、といった状態をリアルタイムで確認できるため、異物解析・不良解析の工程全体の精度・効率向上につながります。

ミクロトームNANOCUT Rと、デジタルマイクロスコープDMS1000によるサイドビューシステム。
ミクロトームでの作業の様子。DMS1000で試料のサイドビューを観察している。
サイドビューシステムで、角度を変えながら側面・断面を観察した例。

異物解析の各ステップで活躍するライカの顕微鏡

ライカの各種顕微鏡およびシステムは、異物解析・不良解析における「前処理 切削・切り出し」以外の4ステップでも活躍しています。

「異物の確認」「サンプル採取」のステップ

「異物の確認」および「サンプル採取」のステップでは、異物の存在を確認し、それをピンセット等でピックアップします。これらのステップでは、実体顕微鏡が用いられます。
ライカの実体顕微鏡シリーズは、独自のFusionOpticsテクノロジーによる深い焦点深度と、広い作動距離を併せ持ち、疲れにくくストレスのない作業環境を実現します。

コード化実体顕微鏡 M205シリーズ

グリノー実体顕微鏡 S9シリーズ

 

「観察」のステップ

「観察」のステップでは、金属顕微鏡、偏光顕微鏡、デジタルマイクロスコープが用いられます。

偏光顕微鏡での観察例。

金属顕微鏡 Leica DM4 M & DM6 M

偏光顕微鏡Leica DM4 P, DM2700 P & DM750 P

デジタルマイクロスコープ各種

 

「分析」のステップ

「分析」のステップでは、FT-IR分析、SEM-EDX分析などが用いられます。
ライカでは、目視検査と化学分析が1台で実施できる、微細構造の化学分析のためのソリューションDM6M-LIBSをご提供しています。

DM6 M LIBSソリューション

事例:微小部分析金属顕微鏡ワークフロー/LIBS顕微鏡を用いて、はんだに含まれる鉛を3分で検出する手順

事例:LIBSのマイクロドリルによるスチール缶塗料の断層分析

 

回転式ミクロトーム
NANOCUT R

NANOCUT Rは、フル電動で誰でも均一に試料を切削できる回転式ミクロトームです。右手でハンドルを回す必要がないため、オペレータは試料の回収に専念できます。切片厚の設定範囲は0.25~50μm。試料クランプ、ホルダー、ナイフなどのアクセサリーも多種用意されており、試料に応じた組み合わせを柔軟に選択できます。

デジタルマイクロスコープ
DMS1000

DMS1000は、HDMIモニターを使用して高精細フルHD画像をライブ表示するデジタルマイクロスコープです。接眼レンズを覗かなくても、試料をモニター上でクリアに観察・撮影することができます。試料のオーバービューから微細構造の観察まで、ライカ独自の光学技術により300倍まで拡大可能。内蔵型HDカメラは、最大30fpsの高速フルHDライブ表示、および500万画素の静止画の撮影を実現しています。

デジタルマイクロスコープDMS1000

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