デジタルマイクロスコープと倍率の考え方―倍率は高ければいい?

ものづくりと顕微鏡

デジタルマイクロスコープと倍率の考え方―倍率は高ければいい?

顕微鏡やデジタルマイクロスコープの性能は、倍率と分解能、開口数を指標に比較できる

顕微鏡はものを拡大してよく見るための道具ですから、倍率が顕微鏡の性能そのものである、という考え方は決して間違いではありません。顕微鏡を考えるうえで最も重要な要素の一つです。しかし拡大すれば必ずよく見えるようになるか、というとそうでは無く、画像からより多くの情報を得るためには、「大きく見える」ことよりも、「必要な範囲が適切な大きさでとらえられている」ことが重要です。この点は、デジタルマイクロスコープでも同様の考え方ができます。

少し複雑なデジタルマイクロスコープの倍率の計算方法

デジタルマイクロスコープと光学顕微鏡の倍率には、どのような違いがあるのでしょうか。一番の違いは、接眼レンズの有無でしょう。どちらも光学レンズを使用することに変わりはありませんが、光学顕微鏡は、接眼レンズと対物レンズの2種類のレンズを使用して対象物を拡大します。一方、デジタルマイクロスコープには接眼レンズが無く、代わりにデジタルカメラが搭載されています。接眼レンズを目で覗かずに、モニター画面で拡大像を観ることができるのはこのためです。

ここで、それぞれの倍率の計算方法を比較してみましょう。接眼レンズと対物レンズの倍率の掛け合わせによって顕微鏡の倍率を求めることができる光学顕微鏡と比べて、デジタルマイクロスコープの場合には、モニター倍率やカメラの撮像素子サイズといった要素が必要になってくることがわかります。

光学顕微鏡の倍率計算式

倍率 = 接眼レンズの倍率 × 対物レンズの倍率

デジタルマイクロスコープの倍率計算式

倍率 = モニター倍率 × 光学倍率
モニター倍率 =(モニターのインチ数×25.4mm*)÷ 撮像素子サイズ*

*1インチ = 25.4mm
*撮像素子は、レンズから入ってきた光を電気信号に変換するための電子部品のこと

この数式から、デジタルマイクロスコープにおいては「モニターのインチ数を大きくすることで、倍率がいくらでも高くなっていく」ということがわかります。しかし、いくら画像を大きく引き伸ばしたとしても、画像が持つ情報量は変わりません。画像を大きくしたからといって、細部が見えるようになるわけではないのです。画像の細部までぼやけずに良く見えること、また画像の明るさや鮮明さ、シャープさといったクオリティは、マイクロスコープの対物レンズから得られる画像の情報量によって変わります。つまり、デジタルマイクロスコープを使って商品・製品の細かな構造を確認する、さらに、ひと目見ただけで誰もが納得できるような、説得力のある写真を撮影するためには、像そのものを作り出すための光学性能や対物レンズの品質も非常に重要なのです。倍率の数値だけでは、マイクロスコープの性能を比較することはできません。

顕微鏡の性能を決める分解能と開口数

顕微鏡画像からより多くの情報を得るためには、試料を細部まで識別するための光学レンズやカメラ(接眼レンズ)の品質、そして、レンズによって形成された像を肉眼で正しく観察するための最適な倍率、その両方が必要です。

この、「細部を識別する能力」は分解能とよばれています。分解能は、どれだけ小さな隣り合う2つの点を、それぞれ別の2点であると見分けることができるか、という顕微鏡の性能を数値化したものです。見分けることができる2点の最小距離で表され、その2点の距離が近いほど「分解能が高い」という意味になります。観察したい試料に対して、顕微鏡の分解能が足りていないとき、隣り合う2つの点はぼやけて一つの点のように見えてしまいます。

例えば、ある顕微鏡で2つの点を観察した時、点と点の距離が1mmであれば、かろうじて、それが離れた2つの点であるということを認識できるが、2つの点の間の距離が0.9mmになると、ぼやけて1つの点に見えたとします。すると、その顕微鏡の分解能は1mmとなります。分解能が高い顕微鏡ほど高性能であるといえます。

分解能を得るためには光が必要です。光は、対物レンズによって集められ、顕微鏡の光路へと取り込まれますが、対物レンズがどれだけ光を集められるかは対物レンズの開口数によって決まります。開口数が大きいレンズを使うほど、より広範囲の光を集めることができるため、分解能が上がり、高倍率でもすみずみまで明るくクリアな像が見えます。

最も大切なスペックは光学性能

顕微鏡やデジタルマイクロスコープの性能は、倍率や分解能、開口数の他にもさまざまな指標によって表されます。しかし、光学性能だけは、実際に顕微鏡を覗いてみるまで体感することができません。まるで肉眼で試料を見ているような、リアルで臨場感のある画像を映し出せるのは、各社の光学技術の賜物なのです。新しいデジタルマイクロスコープを使う時には、下記のような点に注目して、光学性能をチェックしてみましょう。

  1. 全体的に色がぼやけていたり、肉眼で見たときと色味が違っていたりしないか
  2. 周辺部がぼやけたり、歪んで見えたりしないか
  3. 細部がくっきりと浮かび上がるような、臨場感を感じられるかどうか

もちろん、世界的なトップ光学メーカーであるライカのデジタルマイクロスコープには、これまでの歴史のなかで培われた一流の光学技術がつまっています。肉眼で見ているかのような鮮明な色彩と、すみずみまで明るくクリアな画像で、疲労やストレスの少ないマイクロスコープ観察がしたい、と感じているあなたにピッタリです。

実際に見てみないとわからない?そんな時は、ぜひ顕微鏡のライカ 東京オフィス1階の体験ラボに遊びにきてくださいね。ご希望のご予約日時に、製品スペシャリストより実機のご紹介をさせていただきます。不明点・ご質問はお気軽にお問い合わせください。

デジタルマイクロスコープ
ライカ DVM6

伝わる観察レポートに必要なのは正しい色を表現できること―Zスタック、3D画像構築、画像貼り合わせなどの基本機能を備えていることはもちろん、まるで肉眼で試料を見ているかのようなリアルで臨場感のある画像を捉えることができる、スタイリッシュで使いやすいデジタルマイクロスコープです。サンプルを常に中央に捉えてフォーカスし続けるライカのデジタルマイクロスコープなら、レンズを傾けても、もうサンプルを見失うことはありません。しかも、倍率変更、アングル調整、ステージ回転、対物レンズ交換、すべてがワンハンド・オペレーション(片手操作)。誰でも簡単に使いこなせる高性能デジタルマイクロスコープ Leica DVM6 は、疲労・ストレスの少ないデジタルマイクロスコープをお探しのあなたにピッタリの1台です。

デジタルマイクロスコープ ライカ DVM6
キーワード
KEYWORD

関連する記事

ISO16232/VDA19 に準拠した異物解析―国際標準規格はなぜ必要なのか

ISO16232/VDA19 に準拠した異物解析―国際標準規格はなぜ必要なのか

ものづくりと顕微鏡

品質問題とどう向き合うか―科学的アプローチと徹底的な効率化が鍵

品質問題とどう向き合うか―科学的アプローチと徹底的な効率化が鍵

ものづくりと顕微鏡

製造エンジニアのための英会話/同じ単語なのに意味が違う?間違いやすい専門用語

製造エンジニアのための英会話/同じ単語なのに意味が違う?間違いやすい専門用語

ものづくりと顕微鏡

ダウンロード/デジタルマイクロスコープ Leica DVM6 カタログ

ダウンロード/デジタルマイクロスコープ Leica DVM6 カタログ

未分類

人気の記事

カテゴリーで探す
CATEGORY
キーワードで探す
KEYWORD
メールマガジン登録
MAIL MAGAZINE

業務・作業の効率化に役立つ顕微鏡知識をお届けしています。

私は、ライカマイクロシステムズ、および、その関連企業(一覧はこちら)から、製品やサービスに関する情報提供を、電話、テキストメッセージ、および/または、電子メールで受け取ることに同意致します。

私は、ライカマイクロシステムズの利用規約とプライバシーポリシーを確認し、内容に同意したうえで、フォームを送信します。
また、ライカマイクロシステムズのプライバシーポリシーでは、私の個人情報の取り扱いに関する選択肢が提供されていることを理解しています。

お問い合わせ
CONTACT
不明点・ご質問は、
お気軽にお問い合わせください。