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ライフサイエンス 2021.03.02

在宅しながら快適に顕微鏡のリモート化・スマート化を行う3つのポイント!

 「コロナ禍」であっても大学の研究室や企業の研究所には、少数ですが出校・出勤し、それ以外の人は在宅などで仕事をこなしてる状況が続いています。しかし生命科学の実験においては、細胞などの生きたサンプルを使用するため、在宅下で出来ることは、限られています。特に顕微鏡で観察するとなると研究室や研究所に出校・出勤しなければ、作業自体が難しくなります。

 そこで今回は「在宅しながら快適に顕微鏡のリモート化・スマート化をこなす3つのポイント!」を紹介します。

 

 

目次

 

1.リモート化・スマート化に必要なPCスペックとは

WindowsのOS

 説明を始める前に顕微鏡を制御するPCを「受信側PC」外部から操作するPCを「送信側PC」という呼称で定義します。

 まずOSですが、外部からインターネットを通じて接続する以上セキュリティ対策は不可欠です。すでにご存じの方も多いと思いますが「Windows7」のサポートは終了しているため、セキュリティ対策のことを考慮すると「受信側PC」も「送信側PC」もOSは、「Windows10」が必須となります。

 

メモリーと記録媒体

 顕微鏡を制御する「受信側PC」は、外部からインターネット通信で動作させながら、画像データを取得することを考えるとPCのメモリーと記憶媒体にも注意が必要となります。

 まずはメモリーですが、「顕微鏡制御ソフト」と「リモート化・スマート化するためのソフト」を同時に起動させることを考えると「64GB」以上の容量の備えがあれば安心です。

 記録媒体は、最低でもOSや制御ソフトがあるドライブ(Cドライブ)には、「SSD (Solid State Drive)」内蔵のPCが望ましいです。それ以外に画像データ保存用に「HDD (Hard Disk Drive)」が2TBくらい用意できれば、すぐにデータがいっぱいになることはありません。

 外部から操作する「送信側PC」に関して言えばメモリーが「16GB」以上あって、「HDD」が500GB以上もあれば問題ない仕様といえます。

 

インターネット環境

 どんなにPCスペックが高くてもインターネットの速度が遅ければ、操作をしていてもイライラがつのるばかりです。そのため事前にインターネットのスピードをチェックしておく必要があります。実際に職場や家庭で「インターネット回線ってどらいくらいのスピードだろう」と思って調べたい場合には、下記サイトにアクセスしてみてください。(外部リンクになってます)

  個人的な主観で確実とは言えませんが、この二つのサイトでダウンロードとアップロードのチェックした値がそれぞれ「70Mbps」、「20Mbps」以上のスピードが出てれば問題ないレベルと考えています。

 またウィルス対策ソフトなども必要になってくるので、必ず学内や社内にいらっしゃるIT担当の方への相談を忘れずにしてください。

 それ以外にあると便利な物として、顕微鏡のステージ上の状態を確認できる「Webカメラ」やそれを固定する「三脚」です。また「送信側PC」がノートPCを使用してる方などは、顕微鏡の操作画面が小さいと見にくいので24インチくらいの「サブモニター」などがあると便利です。

 

2.リモート化・スマート化するためのソフトウェア

使い勝手の良いソフトは?

 リモート化・スマート化できるソフトは、いくつかありますが、おすすめはやはり「Teams (Microsoft )」か「ZOOM ( Zoom Video Communications, Inc)」になりです。両ソフトウェアとも「外部からの制御要求」が可能であることはもちろん、なんと言っても「スケジュール」を管理できることが大きな利点です。

 通常の研究室や研究所は、使用する機器を予約するのに「いつ」「誰が」「何時間使用する」などの管理を円滑に行っているところがほとんどです。それを「Teams」であれば「Outlook」で、「ZOOM」であれば「Googleカレンダー」などでスケジュールを共有することにより、空いてる時間帯に機器の予約をするなどの操作をスムーズに行えます。

 ここではその設定方法を詳しく記載しませんが、インターネットで検索すればすぐにみつけることができます。

 

顕微鏡の遠隔操作ってどんな感じ?

 ここまでお話しすると「顕微鏡の遠隔操作ってどんな感じだろう?」と思いませんか?そんな方のために今から「Teams」を使用した顕微鏡のリモート化・スマート化の動画をご覧いただきたいと思います。

 今回動画内で使用したPCのスペックは、先程「1.リモート化・スマート化に必要なPCスペックとは」で紹介した物を使用しています。

 また動画には二画面表示されますが、左側が顕微鏡に繋がっている「受信側PC」の画面、右側が外部から操作している「送信側PC」の画面です。

 いかがでしたでしょうか。ストレスなく動作していたのがお分かりになったでしょうか。

 

 

3.リモート化・スマート化するための顕微鏡とは

顕微鏡にスピードは必要か?

 先程ご覧いただいた動画では、ある程度のインターネットの通信スピードがあれば「受信側PC」と「送信側PC」のやり取りに問題が無いことは、お分かり頂けたと思います。ですが今の動画だけでは、リモート化・スマート化するのに「顕微鏡にスピードは必要」と思われた方は多くないと思います。一方ですでに遠隔操作で顕微鏡を動かしている方々のフラストレーションのほとんどが「顕微鏡の動作スピードが足りない!」、「画像取得時間が長すぎる!」というものでした。

 実際にリモート化・スマート化されて顕微鏡を動かしてる人にお話を伺うと在宅時における仕事は、Webミーティングへの参加や溜まっているデータの整理など、他にやらなければならないことが、たくさんあります。その合間で顕微鏡の画像まで遠隔操作で取得しようとすると、「サンプルを探す」、「貼り合わせ画像を取得する」で多くの時間をかけてしまい、あっと言う間に自分の使用時間枠が終わってしまうなど、上手く運用が出来ていないそうです。

 このような状況下で始めて、「顕微鏡にスピードが必要」だと気づかされるそうです。

 

使い勝手とスピードへのこだわり

 では、「顕微鏡のスピードがもっと欲しい!」、「取得時間を早く終わらせたい!」という人たちの悩みをどのように解消するか。その悩みを「THUNDER 3D Cell Culture」が解決できます。

 「THUNDER 3D Cell Culture」は、顕微鏡のスピードを極限まで高速化するために、すべての取得タイミングを顕微鏡のコントロールボックスから制御を行っています。そのため通常のPCからコマンドを送って動作させるより約5倍から10倍、顕微鏡の取得スピードを上げることができます。動画では、ステージ上の動作環境も確認できます。

 動画をご覧いただいてお分かりだと思いますが、ライカのLASXソフトウェアは、使い勝手や見やすさを追求しながらも少ないクリック数で動かせるよう追及したシンプルさを追求したソフトウェアとなっています。

 

THUNDERイメージャーが切り開く新しい蛍光顕微鏡

 それ以外に動画の中に記載されています「THUNDER 処理」ですが、通常のデコンボリューションとは違い、蛍光の散乱光を除去するアルゴリズム『Computational Clearing』機能を搭載しており、この機能は、国際特許を取得してアルゴリズムを全世界に公開されています。また発売してから間もないにも関わらず、多くの論文実績がありますので、ぜひ下記の動画でカメラで取得した「Raw Data」と「THUNDER データ」の違いをご覧ください。

 「THUNDER データ」は、蛍光の散乱光が除去できるので、その後の画像解析にも大変適しています。

 

 このように普段、顕微鏡が目の前あればなんてことは無い操作でも、PC画面越しでのなれない操作は、今まで以上にストレスのたまる作業です。しかし「使い勝手」と「スピード」を兼ね備えることで遠隔操作する顕微鏡が快適になることは、揺るぎようのない事実です。さらに取得した画像がカウントなどの画像解析に非常に向いてるということは、購入後の結果を出すうえでも強い味方となることでしょう。

 

4.まとめ

 「コロナ禍」で「密」を避けながらの研究活動は、十分な研究時間が取れないなどの弊害が出てきています。リモート化・スマート化などの新しい技術の活用は、今まで以上の成果を上げる可能性を秘めているかもしれません。それを体験する上でも、この機会にライカの「THUNDER 3D Cell Culture」やまたはその他の装置をご覧になりたい方は、ぜひ下記にある『製品に関するお問い合わせ』ボンタからお問い合わせください。きっと皆さまのお役に立つことができます。

 

 

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蛍光顕微鏡向けデジタルイメージャー
THUNDER

蛍光顕微鏡で画像を取得する際に発生してしまう、蛍光「ボケ」を徹底的に取り除き、驚くほどシャープでクリアな画像を得ることができる最新鋭のイメージングシステムTHUNDER。複雑な挙動を示す生体サンプルの蛍光ボケさえも、リアルタイムに分離・除去します。培養細胞からモデル生物まで、幅広いサンプルを「超」高精細に観察することができ、これまでのソフトウェアやハードウェアよりもアーティファクトの無い画像を素早く、簡単に取得できるのが特徴です。

蛍光顕微鏡向けデジタルイメージャー THUNDER

 

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